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プロフィール
HN:
謡 陸葉
性別:
女性
職業:
社会人1年生
趣味:
読書・観劇・スポーツ観戦
自己紹介:
活字と舞台とスポーツ観戦が大好き。
コナンとワンピに愛を注ぐ。
4つ葉のクローバーに目がない。
寝たがり。
京都好き。
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虹で、自分にお題を出してみました。


1.雨
2.光
3.赤い目
4.橙の空
5.黄の実
6.緑の生物
7.青い水
8.藍の夜
9.紫の花
10.虹


使いたい方は使って下さい。
特に著作権表示はいりませんが、二次配布は御遠慮願います。

と、いうことでvor.KSでございます。



***********************************



 


─雨
 
その記憶に音はない。色もない。
唯一つだけ、母親の流した涙だけが冗談のように鮮やかだった。
幼い自分の胸の中には、ひたすらに疑問符と否定の言葉が渦巻いていた。
初めてと言ってもいい、父親へ向かう反発心。
受け取る相手の不在が、背中から圧し掛かってくるようだった。
17になって、夜を駆ける術とやるせなさの矛先を手に入れた。
絶対的だった父を殺した奴らと、父を信じきれなかった幼い自分、そして今、罪に自ら染まる自分。
未だ胸の中で音もなく泣き叫ぶ子供の手には、鋭いナイフが握られていて。
首筋に押し付けられたそれを容赦なく押してくれる手を待っている。
誰かお願い、俺を殺して。
もう、自分ではこの激しい雨を、止められない。
 
 
 
─光
 
時計塔の針の上から間一髪で逃げて来た夜。
傍受した無線に耳を傾けながら、歓喜した。
彼だ。
ずっと求めていた人物がついに現れたのだと思った。
彼こそがナイフを突き立ててくれる手だ。
「工藤、新一・・・・・工藤・・・」
肺の辺りから静かに笑いが込み上げる。
でも何故か、ちゃんと笑えなかった。
 
 
 
─赤い目
 
灰色の大都会の空に、真っ白な銀鳩は良く目立つ。
それでも構わずに朝から何羽もの鳩を飛ばした。
嫌な噂を聞いた。
彼が、消えたと言う。
ひっきりなしに一面を飾っていた彼が、最近では全く姿を見せないことに疑問を覚えた矢先のことだ。
高い塀に囲まれた彼の家は、今日一日無人だった。
学校にも行っていない。
隣の発明家の家にも姿はなく、幼馴染の少女の家には父親と最近預かりだしたという子供が一人いるだけだ。
一度だけ警察の誰かが彼の名前を口にしたが、その声もまた彼の不在を告げていた。
疲れて帰って来た相棒に餌をやりながら優しくなでるとクルルと甘えるように鳴く。
自分を慕うその声を聞くと、今日一日の所業が急にバカらしく思えた。
小さく喉を震わす声が聞こえたのか、つっと腕の中の鳩が見上げてきた。
綺麗な赤いガラス球のような眼。
時々、この目は自分以外を見る時には別の色をしているのではないかと思う時がある。
どうでもいいことだ。
どっちにしろ、もうこの身が清廉さを取り戻すことなど有り得ないのだ。
彼が消えた。
それがどうした。
もう一度羽毛を整えるように撫でてやると、鳩は気持ちよさそうに赤い目を細めてから腕を離れて己の寝床へ収まった。
全部帰って来ている事を確認し、しっかりと鍵をかける。何羽かがバサバサと名残を惜しむように羽ばたいた。
夜が来る。
闇が待っている。
明日もまた、飛ばなければならない。
 
 
 
─橙の空
 
刹那、橙色に染め上げられた空の下で奇妙な子供が笑った。
「江戸川コナン・・・探偵さ・・・」
「ホー・・・」
その子供には見覚えがあった。
工藤新一の幼馴染の家にいた子供だ。
彼のようななりをして、己を探偵だと公言して憚らない稚拙さが癇に障った。
冗談じゃない。
「オホン」
わざと慇懃に咳払いを一つして、見知った刑事の声を模写して見せる。
ほら、これぐらいのことで心底驚いたような顔をして、俺を捕まえられないくせに。
「よぉボウズ・・・知ってるか?」
閃光弾の光に包まれながら丁寧に言葉を選んで吐き捨てた。
子供はその言葉を正確に理解したようだ。
愕然とした顔にじわじわと怒りが広がる様は余りに狙い通りでいっそ気持ちがよかった。
警官の帽子を目深に被り、俺は子供に見えるように予告状を投げる。
この子供をからかうのは楽しい。八つ当たりだと、自覚していた。
 
思えば、この時から既におかしかったのだ。
その子供を構うのは、完全な気晴らしだと思っていた。
希望だと思っていた彼が消えて、諦めていても諦めきれない部分の小さなずれから来る気まぐれだと。
でも、違うのかも知れない。
「お前を巨匠にしてやるよ怪盗キッド・・・監獄という墓場に入れてな・・・」
子供と彼とがダブって見えた。
基本的に、己の直感は信じることにしている。
「フ・・・まいったよ、降参だ」
己を殺してくれる人が、今また目の前で俺を待っている。
天を仰いで居もしない神に接吻したいと思った。そんな自分にも、笑えて来る。
大丈夫だ、彼はここにいる。俺はまだ、諦めなくてもいいらしい。
なぁ名探偵、俺はここにいる。ナイフを研いで、お前を待っている。
 
 
 
─黄の実
 
彼を見付けて直ぐに、今度は父の仇に会った。なんて豊作な月だろうと感動さえする。
相手の存在を認識してまず味わったのは、歯がゆさだ。
すぐ近くのどこかに居るのに、下手に手を出せない。
すぐ近くが、凄く遠い。
やっと得た標的は一向に見付かる気配もなく腐るには十分だった。
初めて彼の事を考えた。
彼は、あの姿になってからずっとこうなのだ。
周りの人々を守りながら、偶然すれちがった人々を救いながら、もうずっと、こうなのだ。
時々は現場で、時々は代わり映えしない日常の中で彼を見た。
彼は、笑っていた。
今も、笑っている。
つまずいた拍子に抱えていた紙袋から転がり出た大きなレモンを拾いながら、通行人に愛想笑いをまいていた。
足元にあった一つを渡してやると、他と変わらぬ様子で礼を言う。当たり前だが。
直ぐにその場を離れるのもどこか憚られてそのまま手伝っていると、いつの間にか自分一人になっていた。
流石にまずいだろうと思っていると彼の視線を感じて振り返る。
合わさることなく逸らされたそれに、しばし首を傾げていたが最後の一つを手渡す時になり彼の態度にあからさまにぎこちない物が混じってからやっと合点がいった。
忘れていたが、自分の容姿は彼の本当のそれに酷似しているのだ。
思うところがあって当然である。
本当は今すぐにでも視界から消えて欲しいと思っているだろう。
もしかしたら手伝い自体、迷惑だったかも知れない。
そう思うと、もう何も考えずに口に出していた。
「俺が手伝ったの、迷惑だったか?」
彼は小さな手に収まりきらない大きな果物を丁寧に受け取った体勢のまま数度瞬きをした。
彼の中でどんな結論が出たのかは知らないが、次に彼の顔に浮かんだのは最初と同じ、何の屈託もない笑顔だった。
「そんなことないよ。ありがとうお兄さん」
驚いた。
「お前は、強いな」
馬鹿にしていると思われるかも知れなかったが、素直に口にしてみる。
紛れもなくそれが彼に抱いた感想だった。
常に強い人などいないが、彼は弱さに飲み込まれることがなくその弱ささえ許容しているように見える。
驚いたのだ、本当に。
「お兄さん、これ果物屋のおじさんがおまけしてくれた分だからお礼にあげる。元気になるよ」
食べるといいよと、最後にもういちど笑って駆けていく後姿を見送りながら彼の目に自分はいったいどう映ったのかと苦笑が零れた。
手の中には瑞々しいレモンが1コ。
 
 
 
─緑の生物
 
腕の中で、のっそりと首をもたげて大きな目をした生物が見上げて来た。
記憶にあるよりも幾分か小ぶりのイグアナだ。
抱くのは初めてだが居心地は悪くないらしく、存外に大人しかった。
しっとりとして吸い付くような肌は冷たく、火照った体に心地いい。
あやすように腹の辺りをなぞるとグルルと喉を鳴らした。
本日の獲物はこの厚い皮膚の向こう側である。
さて、どうしたものか。
「おい、聞いてんのかキッド」
「あぁ、わすっ・・・聞いてるよ探偵君」
忘れていたと、言いそうになって相手の目が余りに真剣だったので少しの思いやりを見せてみる。
通じていそうになかったが。
先ほどから5mほどの距離をおいて対峙している彼は、当然だがそれを返せと煩い。
最近、どうも彼に会いたくないと思っている。
もちろん相変わらず彼は俺の救世主であったし、胸の中の子供は未だ彼を求めて泣いていたが、何故か彼を心から求めることが出来ないでいた。
全く、不可解な話だ。
再び彼の言葉を適当に流しながら思考に沈んでいると、視界の端で何かが光った。
考えるよりも早く、一足飛びに彼を抱き上げて近くの影に転がり込む。
左肩に焼けるような感覚が走った。弾が掠ったのだろう、それほど酷くはないがちゃんと飛べるかどうかは考え物だ。
狙撃手は失敗したと見て早々に姿を消したようだった。辺りには何事も無かったかのような静寂だけが残っている。
幾分か緊張を解いて傍らに視線を移すといつの間にか腕の中から這い出していたイグアナを抱いて、彼がじっと左肩を見ていた。
眉間に深いしわを作り、口角をぎゅっと引いて自分が痛みに耐えているような顔だ。
泣いてしまうのかと思う。泣かないのだろうが。
「んな顔すんなよ、名探偵」
思わず軽く頭を叩くと、びくりと強張るのが分かった。
力が掛かってしまったのか、唐突に大人しかったイグアナが不満げに動く。
驚いた彼が手を離したので、逃げてしまわないよう再び抱き上げると彼の体温を吸ったイグアナは少し温かかった。
マズイなと、思う。
何も不可解なことなどない。ただ自分は、彼に泣いて欲しくないのだ。
もし望み通り彼が俺を殺したとして、彼はきっと泣くだろう。
涙にならずとも、泣くだろう。
それが嫌なのだ。だから、会いたくない。身勝手なジレンマだ。
本当はもう分かっている。彼は泣きはしないし、俺を殺してもくれない。
だがそれを認めてしまえば彼を再び失うことになる。それも、嫌だった。
呆れるほどにわがままで、自分の方が子供に戻ってしまったようだ。
少し迷って、イグアナを地に下ろしてからその場を離れた。
目的の物はビッグジュエルと言うには少し語弊があったし、この生き物をどうこうと考えるのが既に面倒になっている。
彼が追ってくるかも知れないと思ったが振り返らなかった。
最初の一歩で彼は何も言わなかった。だから、今日はもういいのだろうとそう思う事にする。
とにかく、早くここから立ち去りたかった。
 
 
 
─青い水
 
「やる」
とても人に何かを上げる態度ではないぞと、言っていいものかは分からないが。
そんな調子で無造作に彼が投げて寄越したのは一本の青い小ぶりのビンだった。
見ると既に封は切られた後で、若干中身も減っているように思う。飲みかけだ。
「趣旨が見えないんだが、探偵君?」
「やるって言ってんじゃねぇか。有難く貰っとけ」
だから何故くれるのかの理由が知りたいのだ。
そう言っても、頭のいい彼が今の会話で答えない以上は何を言っても無駄なのだろうと溜息をついた。
そのビンは知っている。
2年程前だろうか、某人気RPGの中の回復アイテムを模して大々的に発売され瞬く間に店頭から消えたものだ。
クラス内でもかなり話題になっていたので興味を抱かないでもなかったが、わざわざ探し回るほどでもないので放っておいた。
それがどうして今突然手の中にあるのか甚だ疑問である。
というか、彼が持っていた事にそもそも違和感がある。
そして、何故飲みかけ。
「なんだよ、不味かったのか?俺はお前のゴミ箱になった覚えはねぇぞ」
「いらねぇなら返せ」
「嫌だね。もうこれは俺のだから」
「ったく、やっぱ必要ねぇじゃねぇか」
小さく舌打ちをしながらの言葉におや?と首を傾げる。
どうやら彼は本当に自分の為に持って来てくれたようだ。
「・・・光彦に貰ってずっと冷蔵庫に入ってたんだよ。今ちょっと身の回りの整理をしててな」
一口飲んだところでお前の顔が浮かんだから、やる。
と、いうことだそうだ。
誤解されてはあれなので顔には出さないが、ポーカーフェイスの下で俺は苦笑していた。
浮かんだのだという。俺の顔が。
回復アイテムで、だ。
それはなんだかちょっと、情けない話ではないか。怪盗として。男として。
いつか手渡されたレモンの実が瞼の裏側をチラついた。
「餞別だ。じゃあな」
「え・・・・」
それを別れの挨拶にして、彼はあっさりと背を向ける。
そう言えば彼は言ったではないか。『身の回りの整理をしている』
それはつまり、そういうことだ。
彼はまた、いなくなる。
引き止めたいと思った。実際に、体は彼へと一歩傾いだ。
でも少し振り返った彼が何か眩しいものを見るように目を細めて俺を見るから、動けなくなった。
「お前に物をやるのは、二度目だな」
そんなことを言うから、もう、何も言えなかった。
 
 
 
─藍の夜
 
走っていた。
ひたすらに、ただ走っていた。
いや、正確に言うなら逃げていた。
持っていた学生鞄はとうにどこかに置いて来た。
着崩した学ランも大分前に脱ぎ捨てた。
ただ一人の追手から逃げ切る為に、体裁など構っていられない。
彼から逃げきろうと思うなら。
工藤新一はそうさせるに十分すぎる人物だ。
現に今、工藤はすぐ後ろをついてきている。全力疾走の自分の、後ろにだ。
体中に嫌な汗をかく。
同時に堪らなく嬉しく、悲しかった。
始まりは数分前、江古田高校の正門である。
待っていたらしい工藤に声を掛けられた。
『黒羽、ちょっといいか』と。
1も2もなく逃げ出した。
この日をずっと待っていたはずだった。
でも逃げた。
工藤は、元の姿と一緒に救世主としての手も取り戻したのかも知れない。
でももう自分の中で工藤は絶対に手に入らない存在だった。望んではいけないものになっていた。
駅前の人ごみを掻き分け、いつかの時計塔の脇をすり抜け、遊びなれた公園を突っ切り、緑が揺れる堤防を南下する。
大分息が上がって苦しかった。
すると唐突に背後にあったバタバタという足音が絶ち消える。
足は止めずに振り返ると、工藤が、蹲っていた。突然上から冷水を浴びた気分だ。
「おい、工藤!大丈夫っ」
『か』が、言えなかった。
血相を変えて駆け寄った俺の肩をがっしりと掴んで、工藤が笑った。
「捕まえた」
騙された。もう笑うしかないが、喉はからからに渇いていて引き攣った様な音が漏れただけだった。
「さいてーだなお前」
「こうでも、しないと、お前に、追いつけない」
途切れ途切れに紡がれる声はひゅうひゅうと工藤の喉が鳴るせいで聞き取りづらい。
「でも、捕まえた。黒羽」
捕まえたぞ、と繰り返して工藤はもう一度笑った。
いつもの不敵な笑いではなく、顔の筋肉の力を全て抜いてしまったような、へらりとした笑いだった。
俺の肩を掴んだ手に力を込めて、黒羽快斗を、捕まえたと工藤はゆっくりと宣言した。
「話せ、黒羽」
「何」
「俺は、お前を捕まえた。お前をだ。わかるな」
「わかってるよ。俺の負けだろ」
「そうじゃなくて」
俺は刑事じゃないからと、彼が言う。
泥棒には興味はないが、『黒羽快斗』には興味があると言う。
「話せ黒羽。お前の話が、聞きたい」
子供の悲鳴が聞こえた気がした。
工藤を求める声だ。
聞こえなかった声が、聞こえた。
子供は、ナイフが怖いと、泣いていた。
ごめんなさい。ごめんなさい。許して。
「黒羽、今夜は、月はでない」
子供の手からするりとナイフが落ちる。
俺はただ、工藤に縋り付いて泣いた。
初めて流した涙は、とても温かかった。
 
 
 
─紫の花
 
家のすぐ近くの公園の片隅に、小さな藤棚がある。
5月の始めに一斉に花開く藤の花は息を呑むほどに綺麗で家族3人、よくそれを眺めに来たものだ。
俺は父親の腕に抱かれ、必死に藤の花に手を伸ばした。
母親は少し離れたベンチからそんな俺たちに優しく微笑んでいた。
その、ベンチに座って今度は俺が誰もいない藤棚を見ている。
「懐かしいわねぇ」
すぐ後ろから、母親のおっとりとした声がした。
きっとあの頃と同じ笑みをうっすらと浮かべているのだろう。見なくても分かる。長い付き合いだ。
彼女はそれきり何も言わず、隣に腰を下ろして同じように藤棚を見ていた。
時々小学生が転がったボールを追って目の前を行ったり来たりして楽しげな声を響かせる。
和やかな休日の午後だ。
泣くようなことも、特別笑うようなこともない。
だから、泣いてはいけなかった。
「母さん」
「なに?」
「俺、父さんが好きだ」
「知ってるわよ」
「うん」
あの日の記憶に、色と音が戻る。
別に鮮やかでもなんでもない涙を流しながら、母親は俺を抱きしめた。
愛してるわ。
愛してるわ快斗。
あなたは母さんがいっぱい愛してあげる。
だから、あなたは父さんをいっぱい愛してあげて。
約束よ。約束よ。
「帰りましょうか」
「うん」
先に立って歩き出した母親の背中に、俺は小さくありがとうと呟く。
藤棚の下で笑った彼女は少女のように綺麗だった。
 
 
 
─虹
 
呼び鈴も鳴らさず入り込んだ屋敷は未だ朝の静寂に満ちている。
俺は遠慮もなく2階への階段を駆け上がり、目的の部屋の扉を開け放った。
ベッドのふくらみは何の反応も示さず規則的な呼吸を繰り返すままだ。
雨上がりの朝だ。
少し気温が下がったままで肌寒いのだろう、殆ど布団の中に潜る状態で眠っている。
予想通りのその姿に少し笑った。
「工藤、工藤。ほら、起きろよ。いいものがある」
足元に乗り上げて軽くゆすっても一向に起き出す気配はない。
昨日も事件だったのだ。知っている。
だから本気で起こす気がないのがいけない。
何の為に朝早くから押しかけたのかが分からなくなる。
仕方がないとカーテンの隙間から一人外を眺めることにした。
朝起きたら、綺麗な虹が掛かっていた。
それだけのことが何故だか無性に嬉しかった。
「早く起きろよ」
静かな寝顔に囁く。
自分が見たものを、そのままお前にあげるから。
起きて、勝手に入ったことを怒ったりして、笑えばいい。
そして二人で話をして同じ虹を見た気になればいい。
 
ゆっくりと光の橋が消えていく。
どこかで、子供が笑う声がした。
 
 
 
 
 
 
 




*******************
元々オリジナル用だったのですが、どうせならということでKSとZSでも考え出し、時期的にKSが優先的に進められる結果となりました。
あ、工藤さん誕生日おめでとう。
でも良く考えたらバリバリ快斗の話なんだから、工藤さんの誕生日に合わせることなかった(3日夜に気付く)
こんなにいっぱい快斗の事を考えて書いたのは初めてな気がします。
元来、工藤視点が多い方なので。

今回奴らの事件とまじ快を洗い直してみて、気付いたのですが。
快斗がパンドラを知ったのはコナンと会った後なのではないかと。実にKS8年目の真実。
そう考えると、彼らの出会いが黒真珠なのも納得なのです。黒真珠の時点で彼はまだ『宝石専門』ではなかった訳で。
服装などから色々時系列を推測してみるも、そもそもコナン事態何回季節を巡ろうが年取らないので全部を1年で繋ぐのに無理があり、結局順番だけ並べるに留まりました。あーあ。
 
この話の中で誰に一番愛があるかというと、快斗ママであることは隠しようもありません。
あぁ、ママの日に合わせればよかったのか(笑)

なにはともあれ、読了お疲れ様でした。
vor.ZSとvor.ORも出来るだけ早くお届けできればいいなと思います。えぇ本当に。
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